# 創作練習

 本日もアイデア出し練習。1時間。
【001】  小説の公募の下読みをしていたAさんの話。  とある出版社が毎年行っていた掌編小説の賞は、短い内容で済むだけにあまり小説を書いたことがない人からの応募も多いことから、小説の体をなしていないような作品が散見されるという。  下読みを始める際、編集部から「クラモトカゲという筆名の応募作品があったら、内容は読まずに連絡して欲しい」という指示を受けた。ブラック入りした投稿者でもいたのだろうか、とAさんは特に気にせず仕事を開始した。  何日も下読みを続ける中で、Aさんはある作品を手に取ることになった。今どき珍しく400字詰め原稿用紙を使った、おそらく万年筆で書かれた手書きの原稿だった。「クラモトカゲ」という筆名。例の人物だった。読まなくていいとは言われていたが、原稿用紙1枚しかない作品であったことから、さっと目を通してしまった。  「私は殺されてしまいます」という書き出しから始まって、家に押し入ってきた強盗に残虐に殺される描写だけが事細かに書かれていた。描写そのものは生々しく迫力があったが、小説とは言い難い。Aさんはさっそく編集部にメールを送ってすぐに忘れ、次の作品を読み始めた。  後日、警察の方から作品を応募してきた著者が自宅で強盗に殺害されていたことが知らされた。本名が「クラモトカゲ」ではなかったため気付かなかったが、連日ニュースでも取り上げられるような凄惨な事件だった。  出版社の社員いわく、この出版社の公募には何年かいちど、「クラモトカゲ」という筆名で作品を応募してくる投稿者がおり、かれらは必ず自分が送ってきた作品通りの殺され方をしているらしい。最近は「クラモトカゲ」からの応募がなかったので事前のチェックを怠っていたが、基本的には編集部で確認をして警察に連絡するように決まっているとのこと。応募してくる「クラモトカゲ」たちにはなんの関連性もなく、どうしてこんなことが起きているのかも判明していない。  その出版社はすでに倒産している。別の出版社にも「クラモトカゲ」の作品が送られているかもしれませんね、とAさんは語った。
【002】  ある街の三叉路、道路が二股に分かれているところに小さなお社が立っていた。  連日の徹夜もあって眠気に勝てなかったYさんは、運転を誤ってお社に突っ込んで破壊してしまった。  眠気が吹き飛び青ざめながら車を下りてお社を見に行く。跡形もなく飛び散った木屑や敷石の破片を呆然と眺めていると、どこからか言葉になっていない怒声が聞こえてきた。振り返って見渡しても誰もいないが、真夜中の誰もいない道路上に、怒声はずっと聞こえてくる。怒声がだんだんと耳元に近付いてきていることに気付いたYさんは、怯えてそのまま車で家に帰ってしまった。  翌日警察に出頭したYさんは、警官立会いのもと現場に戻り、お社の持ち主に謝罪した。持ち主は三叉路の脇にあるビルの社長だった。  すっかり怒られ賠償をすることになるとYさんは恐縮していたが、警察官と社長は「これ、壊せたの?」「車で?」「時間が解決したのかもねえ」と、怒るどころかしきりに感心するばかりで、まるで感謝されているかのように朗らかに対応されたという。  結局賠償は敷石の一部だけで、お咎めらしいお咎めはなく済んでしまった。  三叉路のお社があった場所には、今は街路樹が植えられているらしい。
【003】  私の村には「三本箸には気をつけろ」、という言葉が言い伝えられている。  三本箸とはなにか、何に気をつければいいのか、といった内容は失伝してしまい、「三本箸には気をつけろ」という言葉だけが言い伝えられている。  理由はともかく三本箸はいわゆる「御膳に箸を突き刺して立てる」「箸渡し」のような不吉な振る舞いの一種として認識されているようだ。  食事に使う箸であれば、どうやって三本で食べればいいというのか。使い方もビジュアルも想像できない。  私は一般的な持ちかたで持った四本の箸をしげしげと眺めた。四本以外の持ち方があるなら、教えてもらいたいものだ。

 1時間やった割には数が少ないし、質も低い。  辻褄合わせみたいな説明に終始するのをどうにかしたいもんだ。