2026-04-14 tue
「他人事」(平山夢明/集英社文庫)のうち、表題作「他人事」を読了。 めちゃくちゃ嫌で、意味不明で、最高。久しぶりに平山夢明の本を読んだな~と思った。 憎悪というハシゴを登りつめたあとに、ハシゴ外しどころかハシゴそのものが消滅して、でも体は地面に落ちることなくその場に張りつけにされて「???」という顔のまま動けなくなる、みたいな話。なんだそれはと思うだろうが、マジでそうなのだ。 絞りに絞って放った弓矢が虚空に飲まれていくような、逆カタルシスを味わえるお話。途中の嫌すぎるグロテスクな描写や憎しみの表現にあれほど力が入っていなかったら、「オチに困って話を投げた」と思われてもおかしくないところ。途中があまりにもエグいからこそ、最後の落差にサウナのごとき"整い"(※1)が発生する。腕力があるから描ける話もあるのだと勉強になった。 ※1 高温の蒸気風呂と水風呂の入浴を交互に繰り返すことで強制的にリラックス状態を作ることを日本では"整う"と表現することがある。健康的な行為であるかは意見が分かれている。